
打ち放しの質感
型枠から生まれるコンクリートの素地をそのまま外観の主役に。塗装で覆わない打ち放しは、光の角度で表情を変え、時間帯ごとに異なる陰影を見せます。
WORKS
完成後の記録です。コンクリート塀ぎわの芝生、木ルーバー越しの外まわり、葉影の落ちる室内の壁、そして打ち放しの柱梁があらわれたダイニング。木とコンクリート、そこへ落ちる緑の影が外から内までひと続きに現れる納まりを集めました。






鉄筋コンクリート造2階建て・延床面積148㎡。白と黒の箱型ボリュームを組み合わせ、外壁の一部に横張りの木壁を採用した混構成の住まい。
コンクリートの静けさは欲しいが、無機質一辺倒の外観にはしたくない、という設計要件から計画が始まりました。街並みに対して威圧的にならず、年月とともに植栽と馴染んでいくファサードが求められました。素材そのものの質感で構成し、装飾に頼らないこと。それがこの住まいの出発点です。
白と黒、ふたつの箱を明快に分節し、その狭間にRC打ち放しの素地を据える構成としました。打ち放しの硬質な面に横張りの木壁を重ねることで、コンクリートの量感に温度を与えています。足元には植栽帯を回し、緑がファサードの一部として立ち上がるよう外構と建築を一体で設計。木壁は経年で表情を深める素材を選定し、竣工時が完成ではなく、住みながら育つ外観を意図しました。構造はRC造とし、耐震性と遮音性を確保しています。開口は箱の分節に沿って整理し、面の美しさを損なわない位置に絞り込みました。

STEP 01
白と黒、二つの箱をどう分節するかを検討。街並みに威圧感を与えず、緑と馴染んでいく構成を探りました。

STEP 02
RC打ち放しの素地に横張りの木壁を重ねる構成に決定。硬質なコンクリートの量感に、経年で表情を深める木の温度を足しました。

STEP 03
足元に植栽帯を回し、緑がファサードの一部として立ち上がるよう外構と建築を同時に計画しました。

STEP 04
開口は箱の分節に沿って位置を絞り込み、面の美しさを損なわない配置で竣工しました。

型枠から生まれるコンクリートの素地をそのまま外観の主役に。塗装で覆わない打ち放しは、光の角度で表情を変え、時間帯ごとに異なる陰影を見せます。

硬質なRCに縦格子の木ルーバーを重ね、素材同士の対比で外観に温度をつくりました。等間隔に並ぶ木目のリズムが、光と風を通しながらファサードに陰影を与えています。

足元の植栽は外構工事の添え物ではなく、ファサード構成の一要素として計画。白と黒の箱、RC、木、緑が一枚の絵として溶け合います。
コンクリートの家は冷たく見えないか心配でしたが、木と緑が入ることで想像以上にやわらかい表情になりました。帰り道にファサードが見えてくるたび、この家にしてよかったと思います。植栽が育つのがこれからの楽しみです。(お施主様)
お施主様ご夫婦(デモ)|木とRC、緑が溶けるファサード