
片流れの軒と黒い外壁が導く玄関
深く跳ね出した片流れの軒が、玄関まわりに陰影と奥行きをつくります。黒いガルバリウムの縦ハゼが軒下のバルコニー手すりまで続き、木部の軒天とのコントラストが外観の見せ場になりました。
WORKS
完成後の記録です。片流れの軒先が空を切り取る角、木を張った軒天と黒い金属外壁が接するところ、そして光の角度を変えて見た金属外壁。角波の凹凸が生む陰影と、継ぎ目の通り、質感の変化が伝わるように選んでいます。






木造2階建て・延床面積118㎡。黒のガルバリウム鋼板縦張りと白い左官壁の2面で外観を構成し、片流れ屋根で全体をまとめた住まい。
シャープでモダンな外観と、どこか手仕事の気配が残る素材感。その両立が求められた計画です。メンテナンス性に優れた外装材を基本としながら、工業製品だけで固めない、質感の対比のある家にしたいという要望がありました。屋根形状はすっきりと、余計な線のないシルエットが望まれました。
外観を黒と白の2面で明快に構成しました。主面には黒のガルバリウム鋼板を縦張りとし、ハゼのラインが生む垂直のリズムでシャープさを担保。対する面には白い左官壁を充て、コテの揺らぎが残る面で工業素材との対比をつくっています。屋根は片流れとし、一方向へ流れる屋根線でシルエットを一本に整理しました。軒天には木を張り、黒と白のモノトーンに一筋の温かみを差し込んでいます。ガルバリウムは軽量で耐候性が高く、屋根・外壁ともに長期のメンテナンス負担を抑えられる素材です。意匠と実用を同じ素材選定の中で解いています。

STEP 01
足場を組み、木の軸組を建て起こしました。黒いガルバリウムと白い左官壁で仕上げる二面構成は、この骨組みの段階から割付を決めています。

STEP 02
外壁材の継ぎ目は養生で縁を切り、シーリングを一本ずつ通しました。仕上がると見えなくなる部分ですが、白い壁の表情を長く保つ要になります。

STEP 03
金属屋根と外壁のハゼは、垂直のリズムが崩れないよう割付と施工精度を管理しました。板金は現場で一枚ずつ納めています。

STEP 04
軒天に張る木と室内の造作材を現場で加工しました。黒と白のモノトーンに一筋の温かみを差し込んで竣工しています。

深く跳ね出した片流れの軒が、玄関まわりに陰影と奥行きをつくります。黒いガルバリウムの縦ハゼが軒下のバルコニー手すりまで続き、木部の軒天とのコントラストが外観の見せ場になりました。

主面に張った黒のガルバリウム鋼板は、縦一列に走るハゼのラインが最大の意匠。等間隔の凹凸が光を受けるたびに濃淡を変え、面全体に静かなリズムを生みます。

対する面はコテ仕上げの左官壁。工業製品であるガルバリウムに対し、下地から仕上げまで職人がコテで塗り重ねた手仕事の面を組み合わせることで、硬さと柔らかさが同居する外観になりました。
黒い外壁は暗くなりすぎないか迷いましたが、白い左官壁と木の軒天のおかげで、重すぎず品のある外観になりました。夕方、軒天の木に照明が映える時間がいちばん好きです。(お施主様)
お施主様ご夫婦(デモ)|黒ガルバと白壁、片流れの家