
壁式構造の大開口
RCの壁が構造を受け持つことで、開口部から柱を消しました。掃出しの大開口はガラスの抜けが最大化され、量感ある壁との対比が際立ちます。
WORKS
完成後の記録です。大開口まわりの打ち放しの壁とベンチ、スリットから光の落ちる階段、型枠の目地とPコン跡が並ぶ壁面、空を斜めに切り取る片流れの軒先、そしてパラペットと勾配壁が取り合うところ。開口部の大きさを支えている壁そのものと、その輪郭を見ていただくカットです。






鉄筋コンクリート造2階建て・延床面積156㎡。打ち放しの壁量と大開口の掃出し窓、鋭い勾配の片流れ屋根で構成した住まい。
閉じる強さと開く大胆さを、ひとつの外観の中で両立させたいという要件から設計が始まりました。プライバシーを確保しながら、庭側には思い切り開いた大開口が欲しい。構造の力でしか実現できない住まいを、という明快な要望です。屋根はフラットではなく、動きのあるシルエットが望まれました。
RC造の壁式構造を活かし、庭側に全開放の掃出し大開口をとりました。コンクリートの壁が水平力を受け持つため、開口部に太い柱を立てる必要がなく、ガラス面の抜けを最大化できます。外壁は打ち放し仕上げとし、型枠のセパレーター跡(Pコン跡)の整然としたグリッドをそのまま意匠として見せました。施工段階から型枠の割付を図面で管理し、竣工後の壁面に美しい規則性が残るよう設計しています。屋根は鋭い勾配の片流れとし、水平に伸びる開口と斜めに走る屋根線の対比でファサードに緊張感を与えました。RCの蓄熱性を踏まえ、開口部は高断熱サッシで熱的な弱点を補っています。

STEP 01
庭側の全開放の大開口を実現するため、水平力を受け持つ壁の位置と配筋を計画しました。RC壁式構造の躯体はこの段階でほぼ決まります。

STEP 02
型枠を締めるセパレーターとPコンの位置は、仕上がったときに壁面へ残るグリッドそのものです。意匠として通るよう、施工前に図面で割付を決めました。

STEP 03
割付どおりに型枠を建て込みます。打ち放しは塗り直しがきかないため、この段階の精度がそのまま仕上がりの表情になります。

STEP 04
コンクリートを打設し、天端を均します。脱型すると型枠の跡とPコンのグリッドが現れ、開口部に高断熱サッシを納めて竣工しました。

RCの壁が構造を受け持つことで、開口部から柱を消しました。掃出しの大開口はガラスの抜けが最大化され、量感ある壁との対比が際立ちます。

型枠セパレーターの跡を隠さず、整然としたグリッドとして見せる打ち放し。型枠の割付を設計段階から管理し、壁面に規則の美をつくりました。

型枠の打ち継ぎラインに沿って現れる雨筋も、打ち放しコンクリートならではの表情。均一に塗装した壁にはない、素材そのものの陰影がファサードに深みを与えています。
大きな窓を全部開けると、リビングと外の境目がなくなる感覚があります。コンクリートの壁の丸い跡も、住むうちに愛着が湧いてきました。この家の顔だと思っています。(お施主様)
お施主様(デモ)|打ち放しコンクリートの大開口